誰もいなくなった島で最後の一人はなぜ死んだのか?

 本作はアガサクリスティの名作、「そして誰もいなくなった」をオマージュした作品です。

 闐闐(どんど)という闇の深い一族がいた。彼らは至るところで不幸を振り撒き、疫病神のような扱いを受けているらしい。

 現在、一族の長を務めているのが闐闐政文。彼には一人息子の穣太郎がいる。

 その穣太郎の妾の子が主人公の羽田健太。母の苗字を継いでいるから闐闐姓は名乗っていないようです。

 健太は一族の血を引いているせいで周囲を不幸にしてきたことや、妾の子という理由で一族から毛嫌いされたことで、闐闐一族に恨みを抱き、一家を全滅させようとします。

 そして健太は絶海の孤島・浮世島にある別邸・天神館というところで自分以外の闐闐家の者を皆殺しにし、最後は自分も死のうとします。

 その前に身を清めようと、島の中央にある龍神池に入っているとき、後頭部に強い衝撃を受け、彼は死んでしまいます。

 なぜ彼は死んだのか?
 全員殺していたはず。
 池の周囲には頭を打ちつけるような物体が存在しない。

 手がかりは、健太の右手のすぐ近くにあった、円の中に正三角形が入っている絵。三つの頂点が円周上にあり、健太が死ぬ直前に書いたもののようです。

 もうひとつの手がかりは、島の多くの場所で、ゴルフボールの下半分を地面にねじこんだような感じの穴が見つかったこと。

 さて、あなたはこれらのヒントを元に真相に辿り着けるでしょうか?
 私は辿り着けませんでしたが、答えを知った時、「ああ、そっか! そういうことだったのか」と納得しました。

 天気というお題とよく絡んでいるのが素晴らしいと思います。サクッと読めるので、是非読んでみてください。

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