とても静かで、しかし底知れぬ重さを持った作品

「未生の卵」という比喩が、最初から最後まで一貫して強い力を持っています。

生まれる前/生まれない可能性、存在する/存在しないという境界に置かれた語り手は、単なる卵ではなく、「可能性そのもの」「未来になりえたもの」の象徴として読めました。その曖昧さが、幻想的でありながら現実に深く結びついている点が印象的です。

哀しく、美しく、そして非常に誠実な鎮魂の物語だと思います。

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