「命と生ききった人間が、どうやってこの先も生きるか」
- ★★★ Excellent!!!
胸が締めつけられるほど、誠実で、痛くて、そしてとてもやさしい作品でした。
これは「ペットとの別れ」を描いた文章というより、命と共に生きた時間そのものの記録だと感じます。
読み進めるほどに、「喪失」を書いているはずなのに、なぜか“奪われた”感覚が残らない。不思議な読後感があります。
「失った」のではなく「共に生き続けている」
という姿勢を崩さなかったからだと思います。
この作品は、悲嘆を「克服」もしないし、「前向き」にもならない。
それでも確かに、命を肯定し続けています。その静かな強さが、読み手の心に深く残ります。
「きれいな骨ですね」
この一言が、どれほど救いになるか。
読み手であるこちらまで、胸の奥がほどけました。
読む人によっては、涙で読み進められないでしょう。
それでも、読み終えたあとに残るのは、絶望ではなく、
「確かに、愛は終わっていない」という確信です。
ゆびきりげんまん――この約束は、きっと守られると、素直に信じられました。