大人の理屈と感情が入り混じる「リアル」な異世界生存戦略

「異世界転移もの」という王道のジャンルに、「職員室(教師)」という社会人ならではの視点を掛け合わせた異色の群像劇です。

「なろう系」の枠を超えた、泥臭い人間ドラマ
多くの異世界転移ものが「高校生」や「勇者」を主役にする中で、本作は「学校を支える大人たち」にスポットを当てています。 生徒を守らなければならないという使命感、しかし自分たちも死の恐怖に怯える一人の人間であるという葛藤。その板挟みになる教師たちの描写が非常にリアルです。

事なかれ主義のベテラン、理想に燃える若手、冷静沈着な事務員、それぞれの立場が衝突する様子は、社会人読者であれば「あるある」と胃が痛くなるような、妙なリアリティと没入感を与えてくれます。

過酷な状況下だからこそ、人間関係の距離が急接近する「吊り橋効果」的な恋愛要素も程よくエッセンスとして効いています。 また、なぜ職員室だけが転移したのか、この世界は何なのかという「謎」が少しずつ明かされていく構成になっており、単なる生活記録に留まらない推進力があります。

教師たちのスキルの活かし方: 授業のノウハウや部活動の指導経験が、意外な形で異世界サバイバルに役立つ瞬間が痛快です。

どんなに追い詰められても「先生」であり続けようとする姿には、胸を打たれるものがあります。

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