解けない数式よりも難しかった。君という「特別」に出す答え。
- ★★★ Excellent!!!
卒業を間近に控えた、雪の放課後。
当たり前のように一緒に過ごしてきた正木と井坂。
正木の秘めた恋心を知りながら、井坂が導き出した答えは...?
「入試問題より、お前のことを考える方がずっと難しかった」
そう語る井坂の言葉は、恋という言葉で片付けるにはあまりに切実で、誠実です。
性別の壁や、関係性の変化への戸惑い。
高校生という多感な時期に、全力で相手を大切にしようとする二人のやり取りが、降り積もる雪の情景と重なり、絵画のような美しさです。
答えが出るまで、まだ時間はかかるかもしれない。
けれど、二人の「当たり前」はこれからも続いていく。
読後、冷えた指先にカイロを当てた時のような、じんわりとした温もりが心に残ります。木枯らしの吹いているこの時期に読みたい素敵な作品です。