概要
「私が悪い」の呪いを解く。空っぽのがま口と、半歩前を歩く愛の残響
「私は、全てを忘れる事にした」
――あの日。自分を責める足跡でいっぱいになった昨日を捨て、彼女は「無」を選んだ。 しかし、たどり着いたのは静かな楽園ではなく、世界の理(ルール)が狂い、三半規管を抉る悪夢。
なぜ世界は45度に傾いているのか? なぜ、あの完璧な女教皇は私を見捨てて座っているのか?
答えを知っているのは、トコトコと「半歩前」を歩く、一匹のフレンチブルドッグ。 「もたもたしてたら、置いていくわよ、ゆり!」
空っぽのがま口には、錆びた銀の針。泥だらけのザクロ。 それは、看取りという絶望の中で彼女がこぼし、拾い上げられなかった「愛の欠片」の成れの果て。
これは、美しすぎる正解を脱ぎ捨てて、自分だけの「汚れた綺麗」を回収する巡礼の旅。 心おきなく息ができる場所は、この地獄の果てにあるのか、それとも――。
――あの日。自分を責める足跡でいっぱいになった昨日を捨て、彼女は「無」を選んだ。 しかし、たどり着いたのは静かな楽園ではなく、世界の理(ルール)が狂い、三半規管を抉る悪夢。
なぜ世界は45度に傾いているのか? なぜ、あの完璧な女教皇は私を見捨てて座っているのか?
答えを知っているのは、トコトコと「半歩前」を歩く、一匹のフレンチブルドッグ。 「もたもたしてたら、置いていくわよ、ゆり!」
空っぽのがま口には、錆びた銀の針。泥だらけのザクロ。 それは、看取りという絶望の中で彼女がこぼし、拾い上げられなかった「愛の欠片」の成れの果て。
これは、美しすぎる正解を脱ぎ捨てて、自分だけの「汚れた綺麗」を回収する巡礼の旅。 心おきなく息ができる場所は、この地獄の果てにあるのか、それとも――。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!最後に彼女は何を掴み、何を失うのか 美しくも残酷な「世界」を巡る物語
精神世界のような不思議な世界に飛び込んだ主人公が数々のトラウマを克服し、傷つき悶えながらも、前へと進み続ける物語です。
哲学的な要素も含んだ不思議で抽象的な世界観でありながら、高い文章力に裏打ちされた比喩表現によって、それらの「世界」が残酷なまでのリアリティで描かれています。それゆえに物語への没入感も凄まじく、主人公「ゆりえ」が苦痛を感じる場面では、読み手である私自身も、胸や胃のあたりを押さえてしまうほど。
この不思議な世界の謎や、主人公の先導役として「常に半歩前」を行くメルミの正体など、謎解き要素も豊富にあり、読み飽きることがないでしょう。ページをめくるたびに深みにハマってゆく。まさに…続きを読む