半歩前の背中が、罪悪感を<歩ける重さ>に変えてくれる
- ★★★ Excellent!!!
喪失のあとに残るのは、悲しみ以上に「私が悪い」の呪い――その感覚を、匂い・質感・重力で『世界そのもの』にして叩きつけてくる短期連作でした。
45度に傾いた回廊、動かない標本の庭園、錆びた銀の針や泥のザクロ、琥珀の錠剤……どれもが比喩で終わらず、触れたら痛い現物として迫ってきます。
そして何より、半歩前を歩くメルミ(フレンチブルドッグ)の辛辣さが優しさに変わる瞬間がいい。慰めてはくれないのに、置き去りにもしない。空っぽのがま口に<拒絶した愛の重み>を入れて、それでも前へ進むラストが綺麗でした。