構成がお見事です
- ★★★ Excellent!!!
山南敬助という“史実の器”に、架空の子・要助の怨念と慈しみを重ねていく発想がとても強い作品でした。
父を「殺した者」と断じながらも、その後の人生の罪・贖い・執着がじわじわ絡み合い、読者の感情を白黒で割り切らせないのが魅力です。
とんがらし地蔵(細い剣/太い刀)のモチーフが、幼い宗次郎の記憶から芹沢粛清、折れた赤心沖光へと繋がり、因果の輪が回り続ける構成が見事。
終盤、魂の主導権が揺れたり、「母」が“老いて見える”視界の歪みが出たりして、怪談めいた不穏さが一気に濃くなるのも刺さりました。
歴史小説・怪異譚・父子の業が混ざり合って、最後の風車の回転まで「終わらない物語」の余韻が残ります。