語り部はなぜ、語るのか。
- ★★★ Excellent!!!
眠りにつく前の、目を閉じた真っ暗な状態で声だけが聞こえる。そんな状態から始まる小説です。
新選組の副長、山南敬助にまつわる物語が、語り部を山南要助から通して話される……。
物語として面白いのはもちろん、なぜ語り部の声が聞こえてくるのか、が一番のキモなのでしょう。
どうして声が聞こえてくるのか、どんな状況でその声を聞いているのか。
ネタバレになるので言えませんが、なるほどな、と構成のうまさに唸った作品です。
ホラー展開もありますが、読み終えたあと、わずかな悲しさが胸の中に残る短編。
おすすめです。