時代の理不尽に押し流されていった男を中心に描いた、ホラー作品です。男は新選組の副長にまで至った武の者。しかし、時代は武だけの台頭を許さず、加えて武だけが力に非ず。知らずの内に大切なものを取りこぼし、礼節によって芯たる武すらも取りこぼし。失意に塗れ、手遅れな真実を聞かされ、男の一生とは何だったのか。時代小説らしい細やかな文体と、過不足なく進んでいく展開が魅力の作品です。ぜひ読んでみてください。
インパクトのある書き出しで物語にぐいぐい引き込まれます。世界観も文章も美しく、とても素敵で少し悲しい物語です。
読み終わった瞬間、読みながらゾクリとしていたものが一気に押し寄せ体中が震える、そんな物語がここにあります。読み終わった時、心に残るは恐怖?それとも、高揚?いいえ、きっとそれは新撰組の魂の輝き。…続きを読む
まるで、浅田次郎の『壬生義士伝』を思わせる作品である。主人公は、近藤勇や土方歳三、岡田総司ではない。もっと通なところを攻めてくるのである。本作は、新しいなんだろう、なんと言えばいいだろうか、生ま…続きを読む
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