とんがらし地蔵で父子の魂は……

 冒頭の「お父さん、あなたは私を殺しましたね?」で引き込まれました。

 史実の山南敬助の“死んだ息子=語り手”を重なっています。
幼い宗次郎が「とんがらし地蔵にお詣りしたい」と無邪気に言う場面は温かいのに、その後「細い刀」=赤心沖光が折れる事件へ繋がっていく構成が見事。

 さらに、沖田の「延命の措置をお願いします」という必死さと、要助が父の身体へ“引き寄せられる”瞬間の背徳感がたまりません。

 新選組が好きな人におすすめの一作です。

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