不運続きの一日をジャズクラブの空気とウイスキーで転がしていく導入がとても魅力的です。財布を失くし、怪我をし、靴まで壊れる流れが痛快で、主人公の投げやりな気分に自然と共感できます。フェルトハットの男との会話は軽妙で、危うさと優しさのバランスが絶妙。「行方不明者」の一言が物語に影を落とし、最後の〈私立探偵〉という種明かしもきれい。余韻の残る、続きが気になる第1話でした。
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