日常を侵す「見知らぬ後輩」。この緊張感と謎に満ちた世界に魅了される!!

 真相は一体どうなってる? と二転三転していく物語に振り回され、終始ハラハラしながら読み進めました。

 主人公の圭一のもとに、ある日「見知らぬ後輩」が姿を現す。彼女は神郡愛奈(カンゴオリ・アイナ)と名乗り、圭一に対して偏執的なまでの愛情を示してくる。

 圭一は現在ダンスでも実力を発揮し、いわゆる「陽キャ」として大学内でも一目置かれていた。
 しかし、昔の圭一はそれとは真逆の痛々しい過去を持っていたことを神郡は喧伝して回り、圭一が築き上げたイメージや居場所をどんどん壊していこうとする。

 神郡の目的は一体なんなのか? 「昔の陰キャな先輩が好きだったんです」と神郡は口にし、婚姻届けまでちらつかせる。

 次第に追い詰められていく圭一。自分の記憶にはないはずなのに、なぜか神郡の高校時代の写真なども存在しているのがわかり、「自分以外の人間」は神郡のことをちゃんと記憶している。

 一体何が起こっているのか。神郡は本物の人間なのかとホラーやSF方面の可能性まで疑いたくなる不可解な事態。
 誰が正しいことを言っていて、誰がウソを言っているのか。神郡のことを知らない圭一の精神は正常なのか? その記憶はどこまでが信用できるのか?

 とにかく真相が知りたくて、連載中はずっと作品について考察を繰り広げずにはいられない作品でした。
 どんどん日常を侵食し、圭一を「忘れたい過去」に引きずり込もうとする神郡。その不気味な存在感はまさしく圧巻。そんな神郡に圭一だけでなく読者も振り回され、「こいつは一体何者だ」と思わずにいられなくなる。

 強烈な魅力を持った作品です。ざわざわとした緊張感に終始支配され、一度読み始めたら「答え」を見るまで絶対に止まれない。

 この圧倒的なサスペンス、是非とも読んでみてください!

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