猫と幼馴染みに癒やされる、やさしくて甘いラブストーリーです。

この作品は、「猫が原因で婚約破棄される」という、思わず「え?」と声に出したくなるところから始まります。しかもその直後に出会うのは、白猫……ではなく、猫になってしまう体質の幼馴染み。設定だけ聞くと大騒ぎになりそうですが、物語の雰囲気はとてもやさしく、くすっと笑える場面が続いていきます。

婚約破棄で落ち込むペルラに対して、グラナードは過剰に慰めるわけでも、重たい言葉をかけるわけでもありません。ただ自然体でそばにいてくれる、その距離感がとても心地よく感じられます。読んでいるうちに、気付けば彼の存在が少しずつ頼もしく思えてくるはずです。

猫要素と幼馴染み要素、そしてさりげない溺愛がほどよく重なり合い、重苦しさはほとんどありません。疲れているときや、甘いお話を気軽に読みたいときに、そっと寄り添ってくれるような作品です。

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