政略結婚と聞くと、やはり少しネガティブな印象を持ってしまいませんか。私は持ってしまうんです。
仮に自分がしろと言われたら、嬉しいですか? 私はちっとも嬉しくない。
好きになれるかも分からない相手と、一生を添い遂げる相棒になれと命令される。貴族や王族社会においては当たり前であるとはいえ、他人に決められた人生を強制されることに、多少なりとも彼らにはストレスがあったと思うんです。
が、しかしぃーー!!
この作品の姫さまは、強い!!
ただ強いだけではなく、その背景や精神性が理屈っぽくなく語られるので、彼女の気高い考え方がすぅーっと入ってくる。
素晴らしい権力者です。
彼女なら、きっと政略結婚であろうとも、幸せな人生を歩む……いや、もぎ取っていくでしょう。彼らの行く末については全く触れられていないのに、なぜかそう確信できる。
幸せへと繋がる、政略結婚。
みなさまも是非ごらんあれ!
教会の鐘が鳴り響く。
けれどその音は、ただの祝福としては胸に届かない。むしろ、これから彼らが歩いていく過酷な現実との戦いの始まりを知らせる合図のように聞こえる。
この物語は、祝福される出来事を疑うのではなく、その祝福がどれほど重いものかを描いているように思える。立場を背負い、役割を引き受け、それでも人であろうとする。その姿は声高に語られないからこそ、静かに胸に残る。
鳴り止まない鐘の音は、幸福を約束するものではない。ただ、前に進むことを促す音として、淡々と響き続けている。その冷たさとやさしさが同時にあるところに、この作品の強さがあると感じた。