「●●●ちゃん、大きくなりましたね」

山崎永和の元に届いたのは、見覚えのない母子手帳だった。

フリマで間違って届いた母子手帳には、奇妙な特徴があった。
永和の「姪の氏名」が書かれているのに、「姉の母子手帳ではない」のである。

>>●●になれる喜びに、心が震えます。

その日を境に、永和たちの下に不可思議な現象が起こり始める。
日本人形を抱えた老婆がまとわりつき、川岸に人形類が流れ着き始めたのである。

>>ありがとうございます。ありがとうございます。

不審に思った永和が例の母子手帳を読み返し、彼女は恐ろしい事実を目の当たりにする。
知らないうちに母子手帳が日々、▓▓されていくのだ。

>>●●のために。●●のために。それが私のすべて。

ふと、永和のスマホが何かを捉えた。
▓▓が姪っ子のすぐ隣に映り込んでいる。

「……こんな子知らない、なに、なんで映ってるの?」


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おめでとうございます。
元気な『絶望』が生まれました。

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