「こんな私でも、強くなれるから」——課金の闇と刑事の矜持

警視庁のトイレでスマホゲームをプレイする女刑事・城ヶ崎玲子。

この冒頭だけで心を掴まれました。

投資詐欺集団の振込口座が、自分の愛するゲームの全世界チャットで暴露される——しかも、自分が割り出した直後に。情報漏洩を疑われた玲子が、30分で犯人の正体を突き止める情報解析の手際は圧巻です。
SNSの公開情報のみを使った追跡。過去のゲーム内での因縁から「リーダー」の正体に迫る展開。刑事と犯人が同じゲームをプレイしているという皮肉な構図。現代の「探偵もの」として非常に練られています。
そして「リーダー」の正体が明かされた後の事情聴取シーン。「覇者のファン」を装って相手を揺さぶる心理戦は、まさに情報戦のプロの仕事。
第9話、「何故そこまで課金するのか」という問いに対する答えが刺さります。
「こんな私でも、強くなれるからだよ」
課金問題の本質——承認欲求、居場所、強さへの渇望——を一言で表現した名台詞です。

スマホゲーム×投資詐欺×警察という斬新な題材を、エンタメとして見事に料理した意欲作。続きが気になります。

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