凍えた手で掴んだ、誰かの手

標高一万メートル。魔力切れ、クレバス滑落、複雑骨折。死の足音が迫る中、主人公カレンは「こんな所で死ねない」と叫ぶ。その声を、なぜか聞き取れる女性がいた。

雪山登山の過酷さがファンタジーと融合し、アイゼンがスキー板に変形する独自の魔力システムが世界観を支える。三人パーティの役割分担も自然で、それぞれが「できること」と「できないこと」を持ち、補い合う姿が心地よい。

「先に行ってしまった友人にもう一度会いたい」——その一念で氷の大空間を降りていく物語。楽園の正体がまだ見えない今、読者も一緒に降りていく。

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