「たかがゲーム」なんて、口が裂けても言えなくなる‼︎

 タイトルを見て、「また警察モノかぁ」と思ったなら、ちょっと待ってください。

「ゲーム廃人のコメディか」と思ったのなら、その誤解は第1話で完全に裏切られます。

 主人公・城ヶ崎玲子は、警視庁のトイレにこもってスマホゲーム『英雄の逆襲』を楽しむ、一見すると型破りな女刑事です。

 でも、彼女が向き合っているのは、ただのデータじゃない――。

 物語は、ゲーム内の全世界チャットに現れた謎のプレイヤーの書き込みから、一気に加速します。

「投資詐欺集団《ビルド・アップ・マネー》の振込口座を暴露する」

 現実世界で法を犯してまで、彼が守りたかったものは何なのか――。

 私たちが何気なく課金したお金が、もし犯罪組織に流れていたら? 顔も知らないゲームの仲間が、その被害者だったとしたら?

 この物語の素晴らしさは、『画面の向こう側の人間』に対する解像度です。

 詐欺に遭い、絶望する被害者たち。彼らを繋いでいたのは、リアルな利害関係ではなく、ただ純粋にゲームを楽しんでいた時間。

 玲子が刑事として、一人のプレイヤーとして事件を追う姿は、ネット社会で生きる私たちの『正義』そのもの。

 読み進めるうちに、《課金戦争》というタイトルの本当の重さに気づき、鳥肌が立つ。

 これは、現代の見えない繋がりを守るための戦い。

 今、スマホゲームを遊んでいる全ての人へ。あなたのその【ログイン】が、誰かの救いになるかもしれない──そんな熱いドラマを、あなたの自信の目で追ってみて欲しいのです。