暖かな色の絵の具。

本家の『火打ち箱』といえば、最高の肥料にたっぷりの水。燦燦と降り注ぐお日様を浴び、手塩にかけたけれども何にも芽が出ない。それもそのはず種が無かった。
あぁ幸運な植木鉢。
幸運を授かっても浪費して、主人公が主人公しないので育たなかった童話でした。

さて、本作。物語は主人公を得たことで躍動します。世界に眠る物語を探して、西へ東へ。
貰ったら、与えて。人の手を巡る内に育った幸運はやがて綺麗な花を結びました。

モノクロの世界に暖かな色を与える素敵なお話です。ぜひご覧ください。