異質さが調和へと変わる、稀有なダークファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
異世界転生とアンデルセン童話のエッセンスがやわらかく溶け合い、
どこか懐かしく、どこか不穏で、けれど不思議と心地よい世界へと読者を誘う物語です。
重さと軽さ、闇と希望、戦いと優しさ。
そのすべてが自然に共存し、読み進めるほどに「この先をもっと見届けたい」と思わせてくれます。
そして何より、作者の筆力がとても滑らかで、情景も心情もすっと胸に入ってくるのです。
戦闘の迫力も、魔獣たちの愛らしさも、世界の陰りも、過不足なく伝わってくるのが魅力です。
童話の影をまといながらも、“異世界ダークファンタジー”として息づく唯一無二の作品。
旅路の行方を、これからも追いかけたくなります。