彼らは未だ、森の中で光を……


ひかりの森、というものがあるそうです。
そこは、女神様が、誰でも幸せになれる場所を用意してくれている場所のことを指すそうです。

「彼」は、常にそこを探していました。『まだ何者でもない彼』は……。





冒頭は、血生臭いシーンから始まります。雨の中、大きな石で何かが何かを殴っています。
そいつの存在を、なんとか消し去るために。





とある城では、王子の成人の儀にさまざまな楽団が集まり、いわゆるフェスティバルが開かれるそうです。
フィンという少年がいる楽団も、それに参加するよう。


しかしフィンは雑用係。笛を吹きたいのに、雑用係。今日も肉体労働に従事します。

本当は実力があるのです。いや、笛を吹けばおそらく、楽団随一の腕を持っているのでしょう。そんな彼が笛を吹かない。いや、『吹けない』なぜか?





笛に合わせて踊るのは、『練習狂』の少女プロム。
彼女はまるで何かに追い詰められるように、ひたすら舞を練習します。その姿は悲壮感が漂うほどに。

さまざまな人間の、さまざまな思いをのせて、ショーの当日はやってきます。







ひかりの森 という場所があるそうです。
その森は、女神様が用意した、誰もが幸せになれる場所。

でも幸せってなんでしょう?
その言葉は漠然としすぎていて、
誰かの不幸のことであり、
望めばきりのない高い青空のことであり、

幸せとは、何を指すのか……少年少女は今でも森を彷徨うのです。
その場所を探して……。




ご一読を。
















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