二人は夜明けを待つ。

とある男女が、階段を登り丘の頂上を目指します。


この二人はなんであるのか? どんな関係であるのか?
なぜ、夜明けを待つのか?
丘の頂上には何があるのか?

五百文字に満たない文章には余白しかございません。つまり、
読み手が補完するのが本道なのでしょう


二人の姿を眺めていると、手を繋いでおります。お互い気遣っているのでおそらく二人は恋人、もしくは夫婦なのでしょう。(もちろん、違う可能性もございますが)

息が白い。そして悴む指。
季節は丁度、今頃なのかもしれません。

真冬に、二人が手を繋いで、丘の上で日の出を待つ。

そしてその日の出は、忘れられないものである。


この物語を占める余白には、どんな物語があるのでしょう。

新婚を迎えたばかりの夫婦が見る、初日の出でしょうか?
若いカップルの、初デートでしょうか?
それとも……?




読者の数だけ答えがあるのでしょう。

皆様も余白から、物語を探してみてください。



ご一読を。