死んだ一家は どのように生きたか
- ★★★ Excellent!!!
2025年9月7日(日)、台風が直撃した東京都内。川辺でバーベキューをしていた塩尻一家が川に呑まれ死亡した。
彼らの愚行とも言えようこの日の「バーベキュー」には、のっぴきならぬ事情があった──。
いやあ、すごい作品に出会えました!
我々読者がこれから出会う登場人物は、最後に死にます。
最初にその結末を突きつけられます。なんなら紹介文で突きつけられます。
結末がわかっていながら、「目が離せない」「続きが気になってしかたない」。
この作品に出会ってしまったら、もうずっとこの感覚に囚われ続けます。
実家を出た主人公のもとに父から手紙が届く。
「もう一度、家族をやり直しましょう」
「また一緒に暮らしましょう」
主人公はある理由から、この言葉に従うより他にできなかった。
家族と合流する主人公。
それからというもの、「家族」の「狂気」に呑まれていくことになる──。
じっとりとした恐怖・不快感にまとわりつかれながらも、一度読みはじめたら止まらない。最後まで読んでもきっと最初から読み返したくなる。
そんな、離れがたい魅力のある作品です。
ぜひ、まずは最初の1話を読んでみてください。
私のお伝えしたいことがお分かりいただけることかと思います。
正直、この作品が完結した今から読める方が羨ましいです。
1日1話しか読めないで どんなにそわそわしたことか!