美食家は味を失い、少女は真実を見抜く

蒸気機関の煙が街を覆い、繁栄と貧困が隣り合うヴィクトリア朝風の都市。

孤児院育ちの少女ルーシーは、皮肉屋の美貌の紳士アーロンに引き取られ、半ば強引に探偵業を始める。

第一話「美食家殺人事件」は、晩餐会で突然死した美食家の謎を追う本格ミステリー。

「毒を盛る隙がない」という不可能状況を、ある秘密が覆す。伏線は丁寧に配置され、読者も一緒に推理できるフェアプレイ。犯人の動機には虐げられた者の怒りがあり、単なる謎解きに終わらない苦味が残る。そして事件の陰には、誰かを殺人へ唆す「手紙」の存在が――。

無垢な少女と謎多き紳士のバディが、霧の都の闇に挑む連作ミステリー。

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