概要
腹を空かせた油赤子。老猫が語る、平成のブラック怪談。
不眠症気味の薫の枕元で、老猫・治五郎は毎晩寝物語を語る。
彼が今夜選んだのは、油を舐める妖怪「油赤子」の物語だった――
柴田恭太朗様自主企画≪【三題噺 #154】「油」「集」「話題」≫ならびに、
小野塚様自主企画≪🎐納涼怪談会🍉≫参加作品
近況ノート https://kakuyomu.jp/users/90505/news/2912051604397476025
彼が今夜選んだのは、油を舐める妖怪「油赤子」の物語だった――
柴田恭太朗様自主企画≪【三題噺 #154】「油」「集」「話題」≫ならびに、
小野塚様自主企画≪🎐納涼怪談会🍉≫参加作品
近況ノート https://kakuyomu.jp/users/90505/news/2912051604397476025
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!治五郎、油赤子を語る。
世には飼い猫のしもべになりたいだとか猫を吸いたいと口にする人も居るという。
本作は長生きした猫があやかしとなった猫又の治五郎の夜語りである。
彼自身が主人公である話ではないがまるで蝋燭の炎の前で闇に浮かぶその縦の猫の眼がまあるく変わるような不可思議な語り口であっという間に虜にされるであろう。
今回は『油赤子』、個人的なイメージは『あかなめ』のようなものか、と感じた。
あやかしも昭和の末から平成、令和を生きるのも世知辛い。
行灯は電球に。そしてそれらは蛍光灯の白い光に、そして街燈は犯罪防止の青いLEDの光に。風情もへったくれもありゃしないものだ。
しかしながら、語り手と聞き手という…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ソレ は今も、世に紛れて。
古猫は、十年で化け猫。二十年で猫又と成る。
手拭いを被って踊り、襖を開け閉めし、
そして
人語を解し、また話すと言う。
不眠気味の女性の家にいる老猫は、実は猫又。
飼い主の為に、夜伽の怪談を語るのを
得意としていた。
扠、この怪猫の語る今宵の譚は
妖怪『油赤子』の怪談。
しかも江戸でも大正でもなく、時は
平成の世に起きた不思議で哀しい怪異譚だ。
世も平成となれば、民草の生活も変わる。
機密性の高いマンションのキッチンの
天麩羅油を揚げた後の、健康志向の菜種油を
狙ったのが…運の尽き。
怖い様な、可愛い様な。それでいて
哀しい様で温かな。
作者の見事な筆致…続きを読む