概要
「珈琲にショコラ、焼きたてのビスケットもありますよ!」
どの国の時刻表にも載らない夜行急行〈ノクターン〉。
この列車に乗るのは、降りる駅を見失った人だけだ。
売り子のリゼットは今夜もワゴンを押して通路を行く。珈琲にショコラ、焼きたてのビスケット。
そしてもうひとつ——ワゴンの二段目には、積んだ覚えのない品が紛れ込んでいる。
雨に濡れた手紙、亡き人の焼き菓子、止まったままの懐中時計の鍵。
その品が客の記憶に触れたとき、霧の中に小さな駅が現れる。
客は降りていく。答えを手にして。
売り子は見送る。自分の答えだけが、まだ見つからないまま。
朝の来ない列車で、今夜も売り声が響く。
この列車に乗るのは、降りる駅を見失った人だけだ。
売り子のリゼットは今夜もワゴンを押して通路を行く。珈琲にショコラ、焼きたてのビスケット。
そしてもうひとつ——ワゴンの二段目には、積んだ覚えのない品が紛れ込んでいる。
雨に濡れた手紙、亡き人の焼き菓子、止まったままの懐中時計の鍵。
その品が客の記憶に触れたとき、霧の中に小さな駅が現れる。
客は降りていく。答えを手にして。
売り子は見送る。自分の答えだけが、まだ見つからないまま。
朝の来ない列車で、今夜も売り声が響く。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!どうか、この切なくも暖かい物語を見付けてあげて下さい。
人知れず悩みに苦しむ人々の心の内の様に、明けない夜の世界をひた走る夜行列車ノクターン。
その列車には様々な苦悩を抱える乗客達が乗り込んで来る。一昔前の豪華な寝台列車の雰囲気たっぷりの車内を、売り子として働くリゼットが、そんな乗客達の応対する内に、それはコーヒーの苦みか、それともショコラの甘み故か、知らず乗客達の心は和らぎ、その口から語られる様々な事情。
やがて、静かに自らの運命に立ち向かうべく列車を降りて行く乗客達。でも、その度にリゼットの心はざわめいて。自らの抱える事情、それが何なのか思い出せないが故に。
静かに息衝くかの様なゆったりとした文章が、夜の世界を走り続ける列車のリズムと…続きを読む