概要
「柄頭に紅玉の填まった、見事な拵えの銀の短剣を知らない?」
戦場で父を喪った七歳の少年は、左腕が黒鉄の傭兵に拾われた。
返り血を浴びても顔色ひとつ変えず、何より――死なない男。
その男の剣は、少年の父の剣と、恐ろしいほどよく似ていた。
戦が終わり、行き場をなくした男は呟いた。
「どうしようか」
父の剣を抱えて少年は答えた。
「……この剣を、家に戻さなきゃ」
男は二振りを並べて腰に佩いた。
父の剣は、少年にはまだ重すぎるから。
そうして、持てない剣を抱えた子供と、何も持たない男の、長い旅が始まった。
神代の気配は遠のき、戦乱は終わらない。
対の剣と、還る場所をめぐるハイファンタジー。
----
■第一章「雨と焔」
“夕暮れと共に戦いは終わった。勝敗はまだ決まらず、死者だけが増えていた。”
少年は傭兵に連れられて、旅は子供の足の早さで進む。物
返り血を浴びても顔色ひとつ変えず、何より――死なない男。
その男の剣は、少年の父の剣と、恐ろしいほどよく似ていた。
戦が終わり、行き場をなくした男は呟いた。
「どうしようか」
父の剣を抱えて少年は答えた。
「……この剣を、家に戻さなきゃ」
男は二振りを並べて腰に佩いた。
父の剣は、少年にはまだ重すぎるから。
そうして、持てない剣を抱えた子供と、何も持たない男の、長い旅が始まった。
神代の気配は遠のき、戦乱は終わらない。
対の剣と、還る場所をめぐるハイファンタジー。
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■第一章「雨と焔」
“夕暮れと共に戦いは終わった。勝敗はまだ決まらず、死者だけが増えていた。”
少年は傭兵に連れられて、旅は子供の足の早さで進む。物