概要
そして——変えてしまう。
この世界の人々は、
生まれながらに身体の一部を欠いている。
その代わりに、
機械の義肢で魔法を使うことが当たり前だった。
けれど少女・莉愛は、
その当たり前に、ずっと違和感を抱いていた。
幼なじみの少年・カナタ。
口も鼻も持たず、機械の声で話す彼は、
時々——まるで未来を知っているかのような目をする。
学園へ進学した莉愛は、
仲間たちと出会い、
賑やかで穏やかな日々を過ごしていく。
一目惚れ。
気づかれない恋。
すれ違う優しさ。
名前を持たない両片思い。
それぞれの想いは、
少しずつ形を変えながら、
未来へ向かって動き始める。
そして莉愛もまた、
気づいてしまう。
——ずっと隣にいた彼を、
特別だと思い始めていることに。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!身体を奪われた世界で紡がれる、優しき機械の少年と少女の運命の歯車
「生まれた時から体のどこかが欠けている」という残酷なディストピア的設定をベースに、美しくも切ない「魔械義肢マギアぎし」のファンタジー世界へと一気に引き込まれる、密度の高い素晴らしい物語です。
主人公・莉愛の銀色の義腕が「今日も体温を返してはくれなかった」という五感に響く寂しげな描写から、口と鼻を持たず、鋼鉄のマスクとチョーカーで生きる少年・カナタの静謐な佇まいへの繋ぎが秀逸です。「感情が魔法を動かす」という授業の直後に起きる暴走事件の緊迫感、そしてそれを冷徹に処理せざるを得ない大人たちの世界のリアルさに胸が締め付けられます。
何より、過酷な状況下でも莉愛の右側をキープし、静かに彼女を守り…続きを読む - ★★★ Excellent!!!遥かなる未来の魔法世界。「魔械」と共に生きる少女たちの青き日々と切望。
美しい文章と、緻密な設定が魅力的な青春小説。
とても独創的な世界観に驚きました。作中の時代は、魔法文明が発展した未来のものです。その文化的な生活は、ローファンタジー作品のようにも思えます。しかし、魔法文明の発展には、大いなる「代償」があり、それがこの物語の独創性に直結しています。
このレビューを書かせていただいた時点では、青春小説の一面を強く感じましたが、この世界には隠された謎がありそうです。
ストーリーは同一タイトルの節で区切られており、それぞれジャンルが変わったかのような面白さがあります。また視点が切り替わるときは、○○sideとタイトルに表記して下さっているので、各キャラ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!空に浮かぶ大地で、魔法と義肢の少女たちが門出を迎える物語
魔法と機械仕掛けの義肢
空に浮かぶ大地──
そんな壮大な舞台を持ちながら
この物語が描いているのは
とても小さな〝手の温度〟と
〝声にならない想い〟です。
治癒魔法に頼り過ぎた末に生まれた
〈魔械義肢〉の世界で
莉愛たちはそれを
〝かわいそう〟ではなく
〝日常〟として受け入れている。
その当たり前さの裏側に
ふと漏れ出る痛みやコンプレックスが
何気ない会話や朝の支度の所作から
静かに立ち上がってくるのが印象的でした。
初等部卒業までの時間は
大きな事件こそ起きないのに
いつもどこか胸がちくりとする。
友だちの手をぎゅっと握りしめる瞬間
先生の最後の学活
家族と撮る一枚の写真──
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