「凍解」を待つ、仲間たちとの最後の乾杯

プロローグで突きつけられる惨劇。そして回想へ。

「この人が死ぬ」と分かった上で読む日常パートには、独特の切なさがある。

散文部の仲間たちが好きな飲み物で乾杯する場面、魔法陣の上にマドレーヌを並べて困る絵梨花。

何気ない日常が、後から振り返れば最後の時間だったと気づく構成が効いている。

タイトルの「凍解」=春の季語という設定も、事件の「解凍」と重なって印象的でした。

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