折り畳み椅子と缶ビールが、世界を変える

仕事に疲弊した42歳が、庭に折り畳み椅子を出して座る。

それだけの話なのに、なぜこんなに染みるのか。

「何もしない」という行為が、いかに現代人にとって贅沢で、いかに難しいことか。

プルタブを開ける「プシュッ」という音、土の匂い、夜風の冷たさ。

五感を通じて描かれる「小さな解放」が、読む側の心も一緒にほぐしていく。

「健全な疲労」という言葉の説得力に、思わず自分の週末の過ごし方を振り返りました。

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