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- ★★★ Excellent!!!人を信じる者と、理念を信じる者。その対比が印象的でした!
私はあまり歴史に詳しくないので、史実や歴史的背景を踏まえた考察については、他の方々のレビューを参考にしていただければと思います☆
ただ、予備知識がほとんどない状態で読み始めた私でも、楠木正成や彼を取り巻く歴史上の人物たちが、どのような利害関係や教養をもって対立し、あるいは協力しているのかが自然と理解でき、とても読みやすい作品でした。
私は中国ドラマが好きで、中国史を題材にした作品もよく観るのですが、本作には中国の歴史や思想に関連する描写が随所にあり、中国ドラマ好きの立場から読んでもとても楽しめました。
兵法の話などを通して、日本の歴史が中国史と深く関わっていることを実感できたのも、興味深…続きを読む - ★★★ Excellent!!!百日紅の花が、百日、くれないに咲き続けるように、世の「太平」も…
鎌倉時代末、商業・交易は活発になる一方で、米の収穫に頼る「荘園公領制」の社会制度は時代遅れになり、破綻に瀕していた。
「荘園公領制」は、一つの土地に、京都にいる公家・大寺社、中小貴族から、それらの貴族が任じた現地領主、そして幕府が任命した地頭などの権利が重なり合う制度だった。それゆえに、そこからの収益をだれが取るかが不明確で、現地での実力での解決(=強いものが収益を取る)が行われ、それが一種の「緩衝材」となって制度全体の転覆を防いでいた。
しかし、それは紛争の多発を生み、幕府とその出先機関である六波羅探題(京都)の処理能力を超えた。一方で、紛争の多発は、これまでのルールにとらわれない暴力行使…続きを読む - ★★★ Excellent!!!下級公務員から始める「平和の作り方」
ようへん 【窯変】:陶磁器の焼成中、火炎の性質その他の原因によって、素地(きじ)や釉(うわぐすり)に変化が生じて変色し、または形のゆがみ変わること。また、その陶磁器。火変り。(広辞苑 第七版より)
『平家物語』と並ぶ軍記物語の代表作、『太平記』。鎌倉幕府の滅亡から室町幕府の成立までを描いた作者不詳の名作ですが、室町幕府成立後も内乱状態が続いた混迷の時代を描いているだけに、そのタイトルに込められた「太平」への願いには共感を禁じ得ません。
この古典的名著には、時代を駆け抜けた数多(あまた)の男達が登場します。中でも一番有名なのは、鎌倉幕府の討伐軍を翻弄し、ついに回天の業を成し遂げた名将・楠…続きを読む - ★★★ Excellent!!!斬新な太平記サーガ
斬新な視点で描いた『太平記』です。
「悪党」楠木正成が鎌倉幕府の手先として活躍しながらも、その政治体制が世の中に合わなくなって既に限界であることに気づき、「よりまともな政(まつりごと)」を実現するために、後醍醐天皇に期待を寄せて、共に戦っていきます。
後醍醐天皇も、私利私欲の人ではなく、理想家肌の人として描かれています。
そして、足利高氏もまた、一筋縄ではいかない複雑な陰影を持ちながらも、明朗で人に好かれる快男児として魅力的に描かれています。
この話は「ここで終わるのか!」と驚く、しかし『太平記』というタイトルにふさわしい時点で完結しますが、正成や高氏、新田義貞などを描いた短編が複数書かれて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!千剣破ふる 正成・姫の太平記
関西の方ならこの方の縁の方とか聞いたことはないでしょうか。私も友人に縁の方がいます。そして私の小説の主人公の母は「千剣破」でまんまこの方ゆかりの名ですし、後醍醐天皇さん南方下りの話も使わせてもらってます。なんとも心惹かれるテーマです。さて、時は鎌倉幕府末期。楠木正成が病の兄を救い家族を養うため、金剛山の辰砂に目をつけるところからこの物語は始まります。そこで摂津の豪族や六波羅役人との駆け引きと争い、そしてその結末が語られます。続いて紀伊の問題事への取り組みをおしつけられますが、その際の制圧が語られます。これらを通じ、六波羅と後醍醐天皇から信任を得るさまが丁寧に語られます。またバサラものの佐々木…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!構成作家の筆致
『ようへん』を第五部まで拝読しました。
最後のページをめくり終えてから、しばらく本を膝に置いたまま動けませんでした。
カクヨムでこんな歴史小説が読めるとは思いませんでした。
一言で表すなら、将監の最期が、頭から離れなかったからです。
この作品で私が最も注目したのは、「約束は守られない」という法則が物語全体の規律である点です。
序盤で描かれる闘犬の餌を巡る理不尽な所領没収や、六波羅との交渉が無意味に終わる経緯など。
これらの積み重ねがあるからこそ、終盤で阿蘇治時が助命を約束したとき、私は「でも、この世界ではきっと……」と身構えていました。
そして、その予感は的中します。
OO(ネタバ…続きを読む