盛岡城の石と雪に──二頭の虎の影がよみがえる掌編

盛岡城築城の史実から始まり──

北上川の景と鬼伝説
そして二頭の虎の名が
静かに立ち上がってくる一編です。

淡々とした筆致なのに
石と水と風の気配がじわりと濃くなり

読み終えたときには
秋の乱れ咲く菊や牡丹雪の降る夜道で
思わず振り返ってしまいそうな
そんな余韻が残ります⋯⋯

土地に宿る記憶と
想像力の力をそっと思い出させてくれる
美しい掌編です。

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