概要
昔々、盛岡には二匹の虎がいました
慶長三年(一五九八年)、盛岡城の築城が始まった。
だが完成までには二十二年もの歳月を要し、その遅れの理由を人々は「鬼の祟り」と囁き合う。
盛岡の古名は「不来方」──鬼が二度と来ない場所。
三ツ石神社に残る羅刹と大岩の伝説は広く知られているが、実はもう一つ、赤き雄虎・乱菊丸と白き雌虎・牡丹丸が鬼を退けたという異伝があった。
だが完成までには二十二年もの歳月を要し、その遅れの理由を人々は「鬼の祟り」と囁き合う。
盛岡の古名は「不来方」──鬼が二度と来ない場所。
三ツ石神社に残る羅刹と大岩の伝説は広く知られているが、実はもう一つ、赤き雄虎・乱菊丸と白き雌虎・牡丹丸が鬼を退けたという異伝があった。