水と戦争と恋心──軽妙な掛け合いで描く気象戦記

干上がった綿花畑と
溢れ出す雨季の濁流──

愚かな国策の末に
水を奪い合う二国で

空を読む天変王子と
戦争を望まない綿花姫が
それぞれの正しさを握りしめて対峙する

戦場は容赦なく
けれど文体は軽やかで
毒舌と掛け合いが重さを和らげる

やがて雨はただの天気ではなく
人の祈りと選択を映す鏡となっていく──

そんな余韻の残る気象戦記です

戦や政のざらついた現実の向こうに
〝お天道様に恥じない生き方〟を
そっと差し出すラストが
静かな雨音のように胸に残る⋯⋯

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