水と戦争と恋心──軽妙な掛け合いで描く気象戦記
- ★★★ Excellent!!!
干上がった綿花畑と
溢れ出す雨季の濁流──
愚かな国策の末に
水を奪い合う二国で
空を読む天変王子と
戦争を望まない綿花姫が
それぞれの正しさを握りしめて対峙する
戦場は容赦なく
けれど文体は軽やかで
毒舌と掛け合いが重さを和らげる
やがて雨はただの天気ではなく
人の祈りと選択を映す鏡となっていく──
そんな余韻の残る気象戦記です
戦や政のざらついた現実の向こうに
〝お天道様に恥じない生き方〟を
そっと差し出すラストが
静かな雨音のように胸に残る⋯⋯