「メロン二個分か……いや、それ以上」

異様なほど光を放つ薬師如来像を見ていたら、桐人は「視線の呪縛」にかかってしまった。
薬師如来の十二神将に選ばれたものは、もともと持っていた煩悩が表に出てしまい、視線を逸らしても自然に目が胸へと向けられてしまうらしい。

(君の『素顔』ってどういうことだよ?)

真面目なときでも、桐人の目は勝手に胸に向かってしまう。
慌てて視線を元に戻すが、もう遅い。
動体視力と視野を鍛えて呪いを制御するが、桐人の中学時代は孤独なまま過ぎ去ってしまった。

事態が好転したのは、高校二年生になったときである。
息を呑むほどの美少女・大宮さくらがクラスに転入してきたのだ。

(揺れる……めちゃくちゃ揺れてる……!)

速攻でさくらにガン見がバレてしまうが、彼女は視線に慣れているらしい。
変な邂逅のおかげでさくらとの縁ができ、剣の道に進み、剣道の才能を開花させる。

だが、桐人たちは知らなかった。
東京では吸血鬼が暗躍していることに――。

笑えて赤面して、時々カッコいい!
青春オカルティックファンタジー、ここに開幕!!

その他のおすすめレビュー

🐟あらまき🐟 @『カクヨムコン』応援中🚩さんの他のおすすめレビュー469