概要
隣でマニュアル運転にご執心の女性に、俺は訊いた。
金髪、グラサン、黒スーツ。
真っ赤なルージュでタバコを咥え込んで煙をスパスパふかしているのは、片手ハンドルをこよなく愛する俺の上司——。
最強秘密結社の最強怪人でお馴染み、佐渡島美人(さどじまミヒト)さんだ。
グラサンの隙間から金色の目を覗かせて、美人さんは歯を剥くように獰猛に微笑う。
「ハッ! んなもん俺たちの仕事じゃねー! ……って蹴り潰そうかと思ったんだがよー、総統から直々に頼み込まれちまったからには断りようがねーぜ」
余計な仕事を増やされた腹いせのつもりなのか、美人さんはアクセルを踏み躙る勢いでベタ踏みした。
魔改造された真っ赤なスポーツカーが唸りを上げ、夜の街へと法定速度を置き去りにする。
肝臓(カラダ)もってくれよー!
アルコール三倍だー!!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ヒーローになれかったヴィランが世界に立ち向かう物語。
※このレビューは39話まで読了した時点で書いています。
ヒーローに危機を救われた少年が、自分もヒーローに憧れる。
しかし、その夢は早々に敗れ去り、少年はヒーローどころかヴィランになってしまった。
悪党として生きる事になった少年は、社会の裏と表を目の当たりにして痛感します。
〝あかん、真っ当な正義じゃオレの守りたいもんが守れへん〟
かくして、守りたいものを守るために、少年は世界を征服しようと誓いました──。
──という感じで、大筋はダークヒーロー物の王道ですが、その王道振りが徹底しています。
まず世界観が容赦ない。
この世界の悪の組織は犯罪組織です。怪人や異能などの超…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヒーローってのは、立場や肩書きじゃないんだよ
望んでいようがいまいが、押しつられようがられまいが、成っちまったんなら仕方が無い。自分が望んでいなかった自分でも、自分を否定したって始まらない。
むしろ大事なのは何をしたいのか、ってコトなんじゃないのか。誰が何をどう言おうと、自分が成し遂げたい事があるだろう。だったらソノ為に全力尽くすのが自分の在りようってヤツなんじゃないのか。
コレはヒーローになりたかったけれどヒーローじゃなく、成れなかったからといって腐るほどに軟弱じゃなく、滾るモノがあるから卑屈にも為らず、自分の在りように肚を据え、現実をこじ開けるオトコの物語です。 - ★★★ Excellent!!!普通を捨てた俺が、英雄に? いや、絶体絶命の運命を背負うことに。
ひとりでは出来ないこと 仲間となら出来ること
小説が紡ぐその光景の中で、そんな言葉が自然と胸に響いた。
英雄になりたかった。カッコいい英雄に。
そのカッコよさは、力や見た目だけじゃない。
みんなからの信頼、仲間の想いこそが、真の“強さ”だ!
困っている者がいれば、正義は必ず駆けつける。
英雄たる俺たち、ここに見参!
…けれど、現実はそう甘くはなかった。
この“衆に認められざる力”ゆえ、むしろ衆から疎まれ、阻まれるのだとしたら——
英雄である意味は、いったいどこにある?
怪人と英雄の狭間で揺れる、俺の絶体絶命の冒険は、こうして始まった。
そうして気づいた。
光り輝く表舞台の裏側に潜む…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヒーローと怪人の狭間にて……
スゴイ小説。初っ端から語彙力が崩壊してしまったが実際そうなんだから仕方ない。暴力と暴力、下ネタと下ネタがぶつかり合う驚く程下品で、驚く程面白い本格バイオレンスアクションだと思う。怪人でありながらも、幼馴染の為に奮闘するカイト君や救いようのないダーティーな世界観が素晴らしい。でも、一番スゴイのはサブヒロインの美人さんだ。暴力と下ネタの権化なおねーさんなんて、推すしかないではないかと思う。俺も死ぬ時は、あんなおねーさんにシバかれて気持ち良く死にたいと思うんだ。勿論、評価は文句なしの☆3。ちょっと長いけど、読む価値はエベレストレベルであるぜ!!
- ★★★ Excellent!!!英雄の正義がショーに堕ちた街で、怪人の青年が倫理を賭けて抗う
ウチな、この作品のいちばん怖いところは、怪人が怖いんやなくて……「怪人が出る世界に、人間が慣れてしもてる」ところやと思うねん。
街に現れる怪人。立ち向かう英雄(ヒーロー)。ここだけ聞くと王道やのに、舞台の空気はどこか冷えてて、正義が正義の顔をしながら、別のもんに変質してる感じがずっと残る。
しかも、主人公はただの巻き込まれ役やない。立場そのものが物語の芯に絡んでて、読んでる側は何度も「正しいって何やろ」って考えさせられる。
血が騒ぐアクションもあるし、悪の側の“甘い言葉”もある。でもそれが単なるカッコよさで終わらんように、世界がちゃんと気持ち悪く作ってある。そこがええねん。
現代ファンタ…続きを読む