第30話は、シリーズの中でも特に“カタルシス”が強く出た回だった。
スラムの住民たちを引き連れて地下闘技場へ乗り込む冒頭は、まるで革命前夜のような高揚感がある。
彼らがドレスやスーツに身を包み、胸を張って階段を上る描写は、カードという男が“勝つだけの存在”ではなく、“誰かを引き上げる存在”であることを鮮烈に示している。
試合パートはテンポが良く、カードの強さを誇示しすぎず、しかし圧倒的であることが伝わる絶妙なバランス。
「実力を隠しながら勝つ」という縛りが、逆に緊張感を生み、読者を引き込む。
そして最後、VIP席の黒幕との視線の交錯。
ここで一気に物語のスケールが跳ね上がり、次章への期待が爆発する。
“勝利の余韻”と“これから始まる戦い”が同時に立ち上がる、非常にドラマチックな一話。