概要
鉄球を抱いて来た聖女に、魔王は――微笑みと優しさを、与えた。
魔王を討つため、ひとりで乗り込んだはずだった。
血と傷と祈りを抱えて、それでも鉄球を離さなかった“聖女”リリア。
けれど、魔王リュシアは彼女を殺さなかった。
拷問も、監禁も、責めもしなかった。
――ただ、優しく笑って、
「甘やかしたいだけ」と、囁いた。
手を握られるたびに、心が崩れていく。
正義だったはずの信仰が、
悪だと教えられた魔王の手で、やさしく溶かされていく。
敵同士だったはずのふたりが、
やがて、“焼かない火”を囲むために出会った物語。
これは、“討つ”ことを忘れた聖女と、“奪う”ことをやめた魔王の、
ただひたすらに甘い、百合の記録。
血と傷と祈りを抱えて、それでも鉄球を離さなかった“聖女”リリア。
けれど、魔王リュシアは彼女を殺さなかった。
拷問も、監禁も、責めもしなかった。
――ただ、優しく笑って、
「甘やかしたいだけ」と、囁いた。
手を握られるたびに、心が崩れていく。
正義だったはずの信仰が、
悪だと教えられた魔王の手で、やさしく溶かされていく。
敵同士だったはずのふたりが、
やがて、“焼かない火”を囲むために出会った物語。
これは、“討つ”ことを忘れた聖女と、“奪う”ことをやめた魔王の、
ただひたすらに甘い、百合の記録。
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