この語りで百物語が読みたい。

優しく語りかけてくる、いきなり脅かしたりしない。

そっ……と近寄って「ね?何かおかしいでしょう?」と囁くような構成。
静かに、少しずつ浸透するような恐怖は後を引きますね。

この口調で百物語が読みたいとわがままを言いたくなりました。
怖さを語りで伝える高い技術を持った怪談師みたいな作家さんです。

最後の話は皆様おっしゃってるようにホロリと来てしまいます。
この匙加減。怖がらせてから、優しく撫でるような怪談。

静かな夜に、上質な怖い語りはいかが?

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