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- ★★★ Excellent!!!青春好き必見✨昭和末期の長崎で紡がれる不器用な少年の日常
1988年の長崎の空気がそのままパッケージされたような奇跡的な作品に出会えました。
当時の街並みや匂いまでもが圧倒的な解像度で迫ってきて一気に引き込まれてしまいます。
主人公の明人くんは人気女優に顔が似ているせいで女子たちから目をつけられてしまうのですが…
その不器用で繊細な反応がいちいち最高に愛おしいです。
特にダイエーの化粧品売り場で初めてヘアムースを買う時のあの居心地の悪さ。
思春期の男の子の等身大の戸惑いがリアルすぎて読んでいて胸がキュンと締め付けられました。
あの頃のノスタルジーと甘酸っぱい青春の痛みを同時に味わいたいすべての人に絶対おすすめしたい至高の傑作です。 - ★★★ Excellent!!!これは歴史書でもあります
80年代の匂い。当時の長崎の街のいきいきとしたリアル。今、長崎で出島に行って資料館を覗けば、1600年代の事が書かれている展示を見ることができるのと同じように、これは80年代の展示です。もちろん、当時のことを知る人はまだ相当数いるでしょう。ですが、1600年代もまた同じだったのです。
非モテのようで注目を集める主人公は、現代ラノベの典型的非モテ(実はそうではない)コミュ障ではなく、きちんとオリジナリティある人生を生きていて、彼の思考を開陳された我々は「そうか。そう考えるのか」と考えさせられます。どんな人も程度の差はあれ自分の青春時代に足りなかったものを嘆くものでしょう。そう、適度に嘆きな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しさに縛られた少年の、静かな抵抗の青春
本作は恋愛を描く物語というより、“他者から向けられる感情にどう耐えるか”を描いた作品だと感じました。
主人公は「恵まれた外見」を持ちながら、そのこと自体が周囲との関係を歪めています。
向けられる好意は純粋なものとして成立せず、からかいや無自覚な圧力を帯びて届く。
そして重要なのは、それらが明確な悪意として描かれていない点です。
この悪意なき加害”の積み重ねが、作品全体に静かな息苦しさを生んでいるように思いました。
だからこそ彼の「非恋愛主義」は、単なる回避ではなく、関係性の歪みに対する誠実な応答として響きます。恋愛の枠組みに入ることで再び傷つき、傷つけるかもしれない――その予感に対し…続きを読む