【ファンタジー短編小説】『時の守護者たち —永遠の屋敷にて—』（約27,000字）

　時間が異なる流れを持つ丘の上の屋敷。
　その漆黒の塔に囚われた五人の不思議な存在たち。
　永遠の十六歳の少女リリア、機械仕掛けの青年オスカー、宝石の目を持つ銀色の狐ルナ。
　そして彼らを見守る正体不明の管理者、セレステとアリア。
　変わることのない永遠の日々が、ある訪問者の到来により揺らぎ始める。

「私はカロカガティアと呼ばれています」

　白い服を着た神秘的な少女の存在は、静かに屋敷と住人たちに変化をもたらす。
　彼女の手が触れるところ、凍りついた時間が溶け始め、忘れられていた記憶が呼び覚まされていく。

「あなたたちは『時の守護者団』です」
　
　屋敷の塔の最上階、七つの鍵で閉ざされた扉の向こうには何があるのか。
　中央の庭に植えられた「時の花」が咲く日、彼らは何を選ぶのか。
　永遠…続きを読む