呪は、紅燈籠の闇に揺蕩う薄絹の揺めきの如く。

煌びやかな後宮の、贅を尽くし華々しく
着飾った寵妃、美姫たち。紅燈籠に蘭奢の揺蕩う、桃源郷には
           闇 が

美を競い歌舞書芸を極め、鎬を削る。
主人公は『呪護師』としての能力に目覚め
乞われて後宮へと参内する。
 理不尽な呪いを断じて、無垢な貴人達の
平穏を、そして命を護る為。

この『呪護師』たる女性の凛とした強さが
読む者の心に寄り添ってくれる。後宮の
闇は、鬼を呼ぶ。そして鬼は怪を起こす。

この作品を読むにあたって驚く事は、まず
目眩く中華宮廷世界の美しさだろう。
小物一つにも繊細な飾りが施されている。
そんな作品だからこそ、耀きに対する闇は
黒く、深い。
 その闇をも一閃、切り裂き日の下に暴き
出す彼女の活躍と、顛末。

 是非ともお手に取られる事を。


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