凄惨な猟奇事件に於ける、個人的な救済と昇華。

と或る日本のスラム街で 女性の遺体 が
発見された。時系列は今よりも未来の
近未来都市の、光の当たらない片隅で。

  女性の遺体は、余りにも 異様 

年齢は三十代と思しき、その身体の
約七割は失われて、外科的に高度な治療を
施しながら少しずつ丁寧に切除した彼女の
肉片が冷蔵庫から発見される。
               但し
 その最も 異様 な点は。

遺体となった女性の、この上ない様な
幸せそうな 笑 み。それを冷たく
変色した顔面に貼り付け事切れていた。

犯人は、直ぐに判明した。遺体の恋人で
その家の主だ。彼はすぐに警察に確保。
そこで二人の警官が尋問を担当する。
 一人は陰気で粘性の嗜虐心を持った
カジハラ。そしてもう一人は、
遺体の酸鼻極まる状態に反した表情に
興味を持った、否
 魅入られたとも言えるアマリ。彼の
心の隙間に犯人からの、まさかの提案が。

 この作品には、どこか昭和の匂いが
漂う。モダンという言葉がよく似合う、
ミステリー・ホラー大盛期の
冷たく乾いた、熱。
          だがしかし、

これは近未来のSFホラーの貌を持つ。
その渾然としたあり様に、眩々する。
 ましてや、人間ドラマの源流も
併せ持つ。
      物凄い作品である。