色即是空、だからこそ。一周まわって、どうせならば高杉晋作。ユーモアを携えて……しかし「面白いものは全て詐術に見えた」なるほど。……そうとも言える、そう見えること、解ってしまう。正しい。悪と正義の攻防、哲学的で滑らかな文調。もっともっと聴いていたい、渇いた歌声。
まっすぐな心の声を、飾らず素直に表現したい。そんな想いを感じます。私は挫けそうになった時、「これは私の夢じゃなかった」「他の方法を探そう」という逃避・回避的な考え方と、「今は負けてもいい、最後には勝つから」「もう一回、もう一回」という闘争・挑戦的な考え方が脳裏をよぎります。この物語は、後者の考え方を巧みに表現しているのではないでしょうか。散文詩、掌編小説ではなく、一つの連続した物語として読んでみたい。僭越ながら、願いを込めて評価させていただきました。
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