極上の出会い

小説はまだ始まったばかり。五分の一話ですが、すでによい匂いが充満しているので、早々と評価しちゃいます。

鶏のトマト煮込みの描写が食欲をそそり、主人公の孤独感と挫折感が「孔雀のような己の姿」などの比喩で、柊さんらしく繊細に表現されています。

地味な外見と本格的な味、落ちぶれた主人公と誇り高いノラという対比が効いていて、「欠けた前歯」という細部が目に浮かんできます。
店内の音や匂いの描写も巧みで、この地方で出会った極上の食事を通じて、小さな希望を感じさせる魅力ある作品です。

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