愛することと手放すこと

魔女ゴーテルの視点で描くという発想がユニークで、物語に新しい深みが生まれています。
原作で悪役だった魔女の心情が、掘り下げられています。

感情を持たなかったゴーテルが少しずつ変化していく過程が、「人肌のぬくもりを含んだ湧水」や「冷えた黒い汚水のような何か」といった比喩表現で、丁寧に表現されています。

彼女がラプンツェルの笑顔を守るために空回りし、最後には自分の命を対価に幸せを願う姿。でも、作者は泣かせようとする過剰な演出を避け、淡々とした語り口を保っています。それが、かえって、それが読む者の心を動かします。読んでよかったと思える珠玉の一作です。みなさまも、どうぞ。

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