概要
春になると、魑ヶ峰男爵、その山へ、化猫(けびょう)櫻をおとずれます。
毎年、春になりますと、魑ヶ峰男爵、一人ひそかに、僻村にあるその小山へ、おおきな櫻の樹の根元へとやって来ます。
鍬と円匙(シャベル)とで、根元から掘りいだしたるそのものとは。
鍬と円匙(シャベル)とで、根元から掘りいだしたるそのものとは。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!言霊庭園に芽吹いた、桜と猫のキメラ怪談
謎の怪人、魑ヶ峰男爵がシャベル片手に通うは、山間に咲き誇る見事な桜、人呼んで「化猫櫻」……果たして、彼の目的は? シャベルという小道具が既に、ロクでもない目的をヒシヒシと予感させるではないか。
桜と猫、どちらも裏の顔を持つ題材である。桜はその根元に骸を隠し、猫は化生して祟る。ホラーの題材としてはありふれているかもしれない。だが、ありふれた題材も組み合わせようとすれば、途端に難易度は跳ね上がる。組み合わせる意味が問われるからである。
それを可能にしているのは、おそらく作者様の言霊庭園(作家としての経験値……とも言い換えられるが、そんなつまらん言い方はしたくない)である。そこに植えられた「桜…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その妖櫻は悪辣なる邪気を狩って咲き乱れ、無垢なる者を地中に産み落とす
那智風太郎プレゼンツ『桜猫企画』優秀作品 Best 6
魑ヶ峰男爵が訪れる化猫櫻は悪を無垢に生まれ変わらせる妖力を持っている。
春になり咲き乱るる美しき花。地中に生るる愛くるしい者たち。
けれど時に出来損ないが生じて男爵を失望させることも……。
いかにも怪しげな雰囲気を纏う魑ヶ峰男爵と化猫櫻がまるで影絵の如く目の奥に映し出される。また巧みな描写と台詞回しによって常軌を逸した男爵の愉悦や失望、または出来損ない悲哀がリアルに伝わってきた。
そしてラストは慈悲とはなんぞやと唸りたくなる顛末。
これぞホラー。
これぞ武江ワールド。
ほら、疾しいことを胸に隠している貴方。
山中に乱れ咲く櫻には…続きを読む