概要
果てもねえ、深え海から、ずっと俺を呼んでんだ――男は語った。
アジア大陸の奥深く。海ははるか南の山脈、そのまた南のかなたにある、中央アジアの乾燥地帯。
荒野から塩化カリウムを掘り出して生計を立てているその村で、二人きりの日本人のうち、村に住み着いていた男が夜中にかたった身の上話。
柴田恭太朗様主催の企画『三題噺 #156』参加作品( お題「海」「声」「予兆」)、および、小野塚様主催の企画『納涼怪談会』の参加作品です。
荒野から塩化カリウムを掘り出して生計を立てているその村で、二人きりの日本人のうち、村に住み着いていた男が夜中にかたった身の上話。
柴田恭太朗様主催の企画『三題噺 #156』参加作品( お題「海」「声」「予兆」)、および、小野塚様主催の企画『納涼怪談会』の参加作品です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!遙なる海淵の果て、その記憶
中央亜細亜の内陸部、海岸線からは優に
千二百キロも離れた砂漠の地に
塩を採掘して生計を立てる男が二人。
一人の男が、幼少期の 海 の記憶を
語り出す。
澱んだ海の不快な黯い彼方から聞こえる
恐ろしく巨大な何かの呼び声が、いつしか
自分を呼んでいると気が付いた。
余りの恐ろしさ忌まわしさに海辺を離れ
海のない場所へと住まいを移したものの
川を辿って 海 は自分を呼ぶ。
あの声は、海の深い所から響いて来る。
海に囲まれた島国では駄目だと大陸に渡り
住まいを転々としながら 呼び声 に
抗ってはみたものの、それは川や湖の水を
頼りに次第に近づいて来る。
遂に、見渡す限りの砂漠へ…続きを読む