<読了しての感想です>一言で言えば「優しい社会小説」です。登場人物が皆他者に対して、真の意味での優しさを持ち社会を変えようと動いてく。タイトルの意味に気付いた頃には伏線が回収され、その優しさの源流に気付いていく。非常に素敵で軽く読みやすいながら昨今の経済について考えさせられる話です。
まず、八人の個人名でくくられた目次が、目を惹きました。章のタイトルは主人公の田中伊知子、五十代で、懸命に生きる女性です。物語が進むにつれ、八人の共通する人格は常に弱者の味方で、そこには深い繋がりがありました。是非、ラストまで読んで頂きたい。わたしは痺れました。
もっと見る